症例ごとに主なリスク・副作用を記載します。
これらは形成外科教科書に記載されている一般的なリスクです。
症例写真の掲載に関して、患者さんの承諾を得ています。

「私は単に乳房ができたという再建ではなく、個々の患者さんの状態 ( 乳房全摘後、温存後の変形、放射線照射後 ) そして健側の乳房の状態に応じた美しい乳房を再建することを
ライフワークにしています。
また、私はこれまで約30年間、自家組織と人工物(インプラント)のどちらの再建も行ってきました。

ですから、どちらの再建が患者さんに適しているかを個々の患者さんの状態に応じて患者さんと相談しながら決めています。これまでの再建手術の経験を生かして、どうしたら個々の患者さんの胸を美しく再建できるかをいつも考えています。患者さんが満足されるのが何よりの喜びです。」

当院で自家組織(広背筋皮弁)を用いた再建症例

術前正面:乳がん全摘術後、ハルステッドの手術を受けているため、大胸筋がなく前胸部は肋骨がうきでてみえる。
術後正面:自家組織(広背筋皮弁)を用いた再建術後、乳頭乳輪を再建した最終の手術後の状態。広背筋皮弁が移植されているため、きずあとが 2 カ所あり、皮膚の色が周囲とことなる。
右術前斜位:左の乳房がないのに加えて、前胸部のふくらみがなく、肋骨がうきでてみえる。
右術後斜位:乳房・乳頭乳輪の形もよい。前胸部のふくらみがある。
(主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、血腫、漿液腫、皮膚壊死、遅発性感染、被膜拘縮、位置異常、瘢痕拘縮などがあります。
(乳頭乳輪再建の主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、生着不良、皮膚壊死、皮弁壊死などがあります。

当院で組織拡張器と人工乳房(インプラント)を用いた再建症例

術前正面:乳がん全摘手術後の写真。きずあとの中央部が陥没している。
右術前斜位:左乳房欠損しているのがわかる。
左術前斜位:きずあとは比較的目立たない。
術前正面:組織拡張器を挿入したところ。前胸部の皮膚は十分ふくらんでいる。
きずあとの中央部は陥没していない。
右術前斜位:左のふくらみが十分である。
左術前斜位:組織拡張器の形が丸いのでふくらみは丸い。乳房のかたちではないが、よくふくらんでいる。
術後正面:組織拡張器を抜去して人工乳房による再建術を行った後、6 ヶ月後に乳頭乳輪を再建した最終の手術後の状態。乳房・乳頭乳輪形態良好。
右術後斜位:乳房・乳頭乳輪形態良好。
左術後斜位:再建乳房の上の方の前胸部の形態も良好。乳房下縁の膨らみもよくでている。
(主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、血腫、漿液腫、皮膚壊死、遅発性感染、被膜拘縮、位置異常、瘢痕拘縮などがあります。
(乳頭乳輪再建の主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、生着不良、皮膚壊死、皮弁壊死などがあります。

当院で組織拡張器と人工乳房(インプラント)を用いた再建症例

術前正面:乳房全摘術後 1 年目で当院を受診した。
術後正面:人工乳房を用いた乳房再建術後6ヶ月目に乳頭乳輪を再建した最終の手術後の状態。左右ほぼ対称性に乳房と乳頭乳輪が再建された。乳頭乳輪もほぼ左右同じ色調と質感が得られた。
右術前斜位
右術後斜位:乳房の形がきれいにできている。乳頭が健側と同じような高さ。
(主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、血腫、漿液腫、皮膚壊死、遅発性感染、被膜拘縮、位置異常、瘢痕拘縮などがあります。
(乳頭乳輪再建の主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、生着不良、皮膚壊死、皮弁壊死などがあります。

他医院で乳房切除・組織拡張器をいれたあと、当院で人工乳房を用いて再建を行なった症例

術前正面:乳がんの手術(全摘術)時に他医院で一期的に組織拡張器を挿入後の状態。組織拡張器がやや上の方に上がっているが、よくふくらんでいる。
右術前斜位:組織拡張器はよくふくらんでいる。
左術前斜位:健側乳房はやや大きい。
術後正面:組織拡張器を抜去して人工乳房による再建術を行った後、6 ヶ月後に乳頭乳輪を再建した最終の手術後の状態。左右の大きさ、乳房形態もよい。
右術後斜位:乳頭乳輪の位置や乳房の形もよい。きずあとも目立たなくなっている。
左術後斜位:再建乳房の上の方の前胸部の形態も良好、再建乳房のふくらみがきれい。
(主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、血腫、漿液腫、皮膚壊死、遅発性感染、被膜拘縮、位置異常、瘢痕拘縮などがあります。
(乳頭乳輪再建の主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、生着不良、皮膚壊死、皮弁壊死などがあります。

他医院で乳房切除・組織拡張器をいれたあと、当院で人工乳房を用いて再建を行なった症例

術前正面:乳がんの手術(全摘術)時に他医院で一期的に組織拡張器を挿入し、人工乳房による乳房再建術前の状態。組織拡張器が上の方に上がっている。
右術前斜位:組織拡張器の外側に丸くふくらんで見えるのは生理食塩水を注入するポートです。
左術前斜位:健側乳房は丸い形である。
術後正面:当院で組織拡張器を抜去して人工乳房による再建術を行った後、6 ヶ月後に乳頭乳輪を再建した最終の手術後の状態。
右術後斜位:乳頭乳輪の位置や乳房の形もよい。きずあとも目立たなくなっている。
左術後斜位:再建乳房の上の方の前胸部の形態も良好である。
(主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、血腫、漿液腫、皮膚壊死、遅発性感染、被膜拘縮、位置異常、瘢痕拘縮などがあります。
(乳頭乳輪再建の主なリスク・副作用) 術後感染、皮下出血、生着不良、皮膚壊死、皮弁壊死などがあります。